生きる力 〜 注19

公開: 2020年4月8日

更新: 2020年4月8日

注19. イデアとイデア論

古代ギリシャのプラトンは、一つ一つの問題は、それぞれに特別な違いがあり、それぞれについて議論することは重要ではない。大事なことは、それぞれの問題をよく考えて、多くの問題に共通する点を見つけ出し、共通点をまとめたものを考えることが大切だと言いました。

例えば、皆さん一人一人と、皆さんのお母さん、お父さん、そして兄弟・姉妹を考えると、皆さん一人一人が違うため、なかなか役に立つ議論ができません。そこで、皆さん全員に共通することを見つけます。例えば、皆さんには、お母さん、お父さんがいるということです。

この母親と父親から生まれた子としての「人間」という存在を考えることは、全員に共通する問題なので、十分に意味があるはずだと考えるのです。このように個々の人から、「人間」という言葉を作り出し、それについて考えようとするのが、プラトンが言った「イデア論」です。

ここで、「人間」は、「イデア」の例です。つまり、「人間イデア」を決めて、それについて色々と考えようというのが、プラトンの教えなのです。プラトンは、そのようなイデアこそが「本当に存在するものであり、議論する対象として意味のあるモノ」であると考えました。

参考になる読み物